ティータイムの定番であるスコーン (scone) は1800年代後半に英国北部のスコットランドで誕生したといわれています。当時、鉄板の上で焼かれていたバノック (Bannock) という平たいパンが、ベーキングパウダーの発明やオーブンの普及により膨らみが増し、空気が入ることで食感に違いが出てきました。さらに砂糖も加わることにより現在のスコーンに近いお菓子になります。
スコーンの名前の由来は諸説あります。1)「良質な白いパン」を意味するオランダ語の「schoonbroot」やドイツ語の「sconbrot」を語源とし、それがスコットランドで「scone」になったとする説。2)スコットランドの古都パースのスコーン村で、王の戴冠式に使われていた椅子の土台に関係するという説。この椅子の土台は「the Stone of Scone (またはthe Stone of Destiny)」と言われ、スコーンの形もこの石の形と関係しているというものです。3)スコットランドのゲール語で「ひと口大の大きさ」という意味の「Sgonn」に由来する説など。なお、本場のイギリスでは「scone」は「スコン」と発音されることが多いようです。
スコーンと紅茶のセットのことです。イギリスのティールームやカフェの店先で「Cream Tea」と書かれた看板を目にすることがあります。名前だけ聞くと、ウィンナーコーヒーのように紅茶にホイップクリームを浮かべた飲み物を想像しますが、実際にはジャムとクロテッドクリームを添えたスコーンと、紅茶のセットのことです。
参考文献